コールセンターとSDGs Vol.4「グラデーション世代が作り上げるサステナブルなコールセンター」
出典:CCAJ NEWS 2024年2月号(Vol.323)
“グラデーション世代”が作り上げるサステナブルなコールセンター
特集「コールセンターとSDGs」④
座談会では、当協会会員であるコールセンター・エージェンシー企業に所属する若手社員3名にお集まりいただき、今後のカスタマーサービスやコールセンターの在り方、ジェンダーフリーな働き方などを話し合っていただきました。SDGsへの対応を通して目指すサステナブルなコールセンターとはどのようなものか、社会貢献の意識が高いとされる若い世代の目を通して、未来のコールセンター業界の姿を探ります。
アルティウスリンク株式会社、トランスコスモス株式会社、株式会社ベルシステム24の3社にご参加していただくとともに、広報委員長である宮坂南欧實さんに司会をお願いしました。ご協力いただきありがとうございます。
宮坂 CCAJでは、SDGsの推進を2023年度の事業活動方針に掲げています。コールセンターと関連性の高い、8番の「働きがいも経済成長も」、5番の「ジェンダー平等」、9番の「産業と技術革新」という3つの目標に基づいた活動を行っています。それを受けて、協会報のCCAJ Newsでは、本年度からSDGs特集を続けてきました。その第4弾として、コールセンター業界で活躍されている若手の皆さんにお集まりいただいて座談会を行うことになりました。業界を牽引するエージェンシー3社からお越しいただきましたが、奇しくも同じ6年目の同期ということですので、活発なお話を期待しています。まず、簡単に自己紹介をお願いします。
高橋 トランスコスモスの高橋陽菜と申します。これまで、金融や外資系化粧品などのセンター運営に携わってきました。今は、ホームセンター業界のお客さまのコールセンターで、DX化などの提案も含めた運営・管理を行っています。
丸小野 ベルシステム24の丸小野一成です。4年間のコールセンターの管理者を経て、人材・教育関連業務、インサイドセールスなどを経験させていただき、現在は自動化ソリューションの導入コンサルティングを行っています。
花島 アルティウスリンクから来ました花島悠里佳です。昨年9月の経営統合前は、KDDIエボルバでKDDI系のソリューション事業で、法人のお客さま向けのサポートを行ってきました。
宮坂 皆さん、緊張せずに自由にご発言ください。よろしくお願いします。
宮坂 最初に、これからのコールセンターに求められるカスタマーサービスはどのようなものが考えられるかというテーマで、お話しいただきたいと思います。
高橋 一番は、丁寧で正確でスピーディーなセンターだと思っています。それは、センターの全員が同じ目標に沿って進むことで実現するものなので、それぞれが目標を立てて成長し続けられるカスタマーセンターが目標であると思っています。
もう一つが提案力です。クライアントとコミュニケーションを取りつつ、ちゃんと信頼関係が築けているカスタマーセンターが求められていると思います。
クライアントがホームセンターなので、取扱商品が広がっていくためにもお客さまの声を大切にしています。ただ、ちょっとした会話からも出てくるVOCは多数あるので、大事なVOCが届けづらいところもあります。そこで七夕の時に、メンバーがクライアントに届けたいVOCを川柳にして、短冊に書いて掲示しました。クライアントには一番良いVOCを選んでいただき、賞品を渡しました。その後、VOCを聞きたいがためにメンバーそれぞれの品質が向上しましたし、クライアントにも喜んでいただいて、双方に効果が出た取り組みでした。
宮坂 丁寧・正確・スピーディーという基本的な部分を積み上げることと提案力で、成長し続けられるということですね。
花島 現在、社内ヘルプデスクのアウトソースを受ける仕事を担当しています。法人系の業務のお客さまはパソコンや携帯などの電子機器に強いので、チャットやFAQなどの比率が上がりそうですが、電話の件数はあまり減りません。そこで、電話対応を段階的に減らして、チャットボットで解決しなかったものだけ有人対応につながるという導線を提案しているのですが、チャットボットと聞くと何でも解決してくれるイメージをお持ちのクライアントが多くおられます。でも実際は万能ではないしチューニングの工数や費用もかかるので、クライアントと調整しつつ、バランスを取りながら進めていくことが大切だと思っています。
そのためには、いろいろな部署と情報共有をしながら最適な提案ができるように、社内で横連携できるスキーム作りが求められていて、目指していかなければいけないところかと思います。
宮坂 クライアントの考え方もあるので、一人ひとりに合わせてうまく対応できるか、そのための横連携ができるかが最終的には重要ということですね。
宮坂南欧實 氏(司会)
一般社団法人日本コールセンター協会 広報委員長
アルティウスリンク株式会社 経営戦略統括本部 コーポレートコミュニケーション本部 サステナ・マーケティング推進部 サステナビリティ推進ユニット 担当課長
「1997年もしもしホットライン(現・アルティウスリンク)入社。電力や化粧品、ホテル等のコールセンターの他、教育研修、人財採用、広報・IR部門を経て、現在はサステナビリティ推進を担当しています」
丸小野 今後のカスタマーサポートとしては、自己解決率を上げることと同時に、本当にサポートを必要とする人へしっかり支援できるサービスの両面での提供が大切だと思います。問い合わせの手段として電話を選択する場合には、自分が何に困っているのかわからない中で電話する人が結構多いのかなと思っていて、カウンセリングのようなイメージでサポートすることが必要だと思います。
最近の例ですが、エアコンが壊れたので何とかしたいという問い合わせに対応するボイスボットを構築しようとしました。ただ、シチュエーションがものすごくたくさんあって、定型化するには難しいことがわかりました。エアコンが壊れたことに対して、単に修理を受け付けますというだけではなく、再起動すると動くかもしれません、修理より交換が安いですよといった、お客さまの状況に合わせた選択肢を提供することが求められています。困っているのはエアコンが使えないことなので、会話しながら答えを一緒に考えていくようになるのではないでしょうか。人による応対は、最終的にそういう方向になっていくと、今後のカスタマーサポートのあり方として想像していました。
宮坂 聞かれたことを素早く正確に答えることと、何が本質であり何がその方のためになるかを見極めて提案することの両方が必要ということですね。皆さんのお話だと、相手に合わせたバランスと提案力がキーワードになってくるように感じました。

