コールセンターとSDGs Vol.3「コールセンター業界が取り組むSDGs」
出典:CCAJ NEWS 2023年10月号(Vol.319)
コールセンター業界が取り組むSDGs
~コールセンターができること、コールセンターだからできること~
※ SDGsに関するアンケートの全集計結果は、https://ccaj.or.jp/ccajnews/314_sepvol.html でご覧いただけます。
3つの重点テーマを4つのチームで推進
ビーウィズでは、「ミライのために『今』できること」をコンセプトに、3つの重点テーマを中心とするSDGs活動を推進しています。
【重点テーマ】
①デジタルを活用した社会的課題解決と新たな価値の創造
②働きがいの創出と多様性を尊重し合う社会の実現
③持続可能な地域・社会づくりへの貢献
これらのテーマについてビーウィズ株式会社経営企画部広報副部長の小宮里砂さんは、「3つのテーマがそれぞれ独立しているのではなく、重なり合いながらSDGsに取り組んでいます」と説明します。
また、同社のSDGs推進委員会の事務局である総務部総務ユニットの吉原彩香さんは「これまで当社として継続してきた社会貢献を踏まえたテーマになっています。そこを起点に、さらにSDGsの17ゴールに当てはまるような活動ができないかを考えて、活動の幅を広げている過渡期です」と話します。

さらに小宮さんは、「”私たちは、常に最適なサービスや社会のあり方を洞察し、社会に歓びと価値を創造します” という事業理念を受け継いできました。デジタル・多様性・社会貢献という重点テーマは、当社のあり方をSDGsに反映させたものと捉えていて、それが特徴だと思います」と指摘します。
これらの活動の中心となるのが、2021年6月に発足したSDGs推進委員会です。重点テーマに沿って活動する3チームに、社内浸透を推進するチームを加えた4チーム体制になっています。総務部が事務局としてとりまとめをしていますが、活動の中心は全国にある拠点に勤務する推進委員の皆さんです。
吉原さんによると「どういう取り組みが良いかも含めて、各チームで考えて、知恵を出し合いプロジェクトを進めています。委員会や他のチームとも情報共有をしながら、具体的な内容を調べたり、実際に推進するのも委員の皆さんです」とのことです。
具体的には、以下のような取り組みを推進しています。
①のデジタル関連では、独自のクラウドPBX「Omnia LINK」による在宅オペレーターの推進、CO2排出量可視化ツール「CO-CAN」の活用など。②の多様性では、働きがいに関する社内外への発信を中心に、障がい者雇用や育児や介護と仕事の両立などの情報提供など。③の社会貢献としては、不要な衣料やペットボトルのキャップ回収、日本障がい者サッカー協会(JIFF)への協力と各イベントへの参加など。さらに、社内浸透チームが、SDGs活動の浸透のために、全国で勤務するすべての従業員に向けて情報発信を続けています。
積極的な参加で成立しているSDGs推進委員会
注目は、現在21名の委員がすべて自ら立候補した現場の人だということです。小宮さんは「SDGsを推進する委員が、本社だけでなく全国に散っているところが、コールセンターの特徴でもあると思います」と話します。また、身近な人から取り組みを勧められることで、参加しやすいというメリットも大きいといいます。
一方で、産育休等で休みが必要になる委員や、立候補を躊躇している方もいます。吉原さんは「お休みしても、復職してから委員会活動へ参加するという方もいます。また、参加を促すなど委員のフォローアップをすることも事務局の役割だと思います」と説明します。さらに、委員の皆さんの自主性を尊重するためにも「事務局は委員のフォロワーになりたい」と語る吉原さん。今後は、さらに多くの方の参加が目標とのことです。
企業理念を根幹に、リソースやノウハウ、これまでのCSR活動などを統合する形でSDGsに取り組んでいるビーウィズ。それを支えているのは、個々人の積極的な参加であることがわかります。
さらに小宮さんは、社内だけでなく社外にも広く広報していきたいと語ります。重点テーマであるデジタルの活用や社会貢献、さらに他業界とのパートナーシップなども重要としながらも、「特に、年齢や性別、国籍、障がい、スキルや経験などにとらわれない多様性の受容は、コールセンター業界が貢献できる最もわかりやすいSDGsでしょう。それを打ち出すことが、業界のイメージアップにもつながると思います」と話します。一人ひとりを受容し大切にする企業姿勢が現れたコメントと言えるのではないでしょうか。
同社では、150名を超える障がい者が働いており、そのうち新宿本社のシェアードサービスグループでは58名の障がい者が業務に就いています。シェアードサービスグループは、障がい特性に合わせた6つのチームに分かれており、障がいをもつチームリーダーがとりまとめをしています。室長の檜垣一美さんは、「実際の業務だけでなく、業務手順の構築や納期調整もリーダーが担当し、各チームが自律的に業務を回しています。業務を依頼する社員も、障がい者チームを同じ戦力と認識していて、サポート部隊として頼りにしてくださっています」と話します。
現在、代表電話対応や宅急便の集配などの庶務業務、データエントリー業務、業務用パソコンのセットアップ、請求書処理業務など、幅広い業務を社内から受託しています。効率化につながるとして相談や依頼が増えています。新規業務の依頼時には、依頼側がレクチャーしたり障がい者にもわかりやすいマニュアルを用意するなど、周囲の理解も深まっているといいます。
定着率は9割を超える現在の体制のスタートは、2014年に行った障がい者の一括採用でした。檜垣さんに成功の秘訣を伺うと、「10名を超える人数を採用することで、チームリーダーを任せられる人がいました。また、当初は仕事が少なく、パソコン操作や事務業務の研修を行いました。そこで、時間をかけてそれぞれの特性を見極め、長所を活かすことにつながったと思います」と話します。オペレーターの特性の見極めや研修のノウハウはコールセンター業務には欠かせません。その活用が、障がい者雇用と従業員の幸せにもつながっています。

