コールセンターとSDGs Vol.3「コールセンター業界が取り組むSDGs」

社会貢献
株式会社NTTネクシア

SDGs基本方針とSDGs強化週間

株式会社NTTネクシアのSDGsへの取り組みについて、SDGs推進の主管であるシェアードサービス部門サステナビリティ推進担当課長の有馬哲朗さんにお話を伺いました。「当社では、『お客様と、ともに未来を描き、ともに成長するパートナーであり続ける』という企業理念を掲げています。この実現のためには、利用者の満足度向上と企業・地域社会の課題解決に貢献する『コミュニティデザイン企業』として社会から信頼され価値を認められる存在でなければならないと考えています。『コミュニティデザイン企業』に向けては、事業活動の持続的成長だけでなく、あらゆるステークホルダーの持続的成長への貢献や地方創生への貢献も必要不可欠な活動であると考えています。この考え方は、2015年に国連で採択された『すべての企業は自社の事業活動を通じてSDGsの実現に貢献する』という考え方とも合致するものであると捉えており、事業戦略にSDGsの考えを取り入れています。そして、SDGs達成に向けた取り組みにあたり、全員が共通認識のもと行動することを目指し『NTTネクシアSDGs基本方針』を策定しました」と説明します。

NTTネクシアSDGs基本方針は、
・チームネクシアがSDGsを実践する上での目的・使命となる「ミッション」
・SDGsを実践したその先のめざすべき姿(ゴール)となる「ビジョン」
・SDGs達成に向けて事業戦略上の課題を具体的に掲げ、これらの課題解決によってビジョンに導く「成功の柱」
の3つで構成されています。

さらに有馬さんは、「まず前提として、そもそもコールセンタービジネスそのものが、SDGs達成に貢献していると考えています」と話します。コールセンターの利用者は、自宅にいながら疑問点を解消できるため、人々の移動減につながります。疑問点を解消することにより、人々の豊かな生活への貢献にもつながっていくとの考えです。

さらに有馬さんは、「私たちは、企業理念の『お客さまと、ともに未来を描き、ともに成長するパートナーであり続ける』ために、『コミュニティデザイン企業』の実現を目指しており、それを踏まえて策定したSDGs基本方針に則って事業活動を推進していくには、社員一人ひとりへSDGs基本方針を理解浸透させることが重要である」と話します。

同社のユニークな取り組みに、四半期ごとに実施する『SDGs強化週間』があります。社員一人ひとりにSDGsを浸透させるとともに、社内を活性化することを目的としたもので、四半期ごとに設定したテーマに沿った取り組みを、実施可能な範囲で実践するというものです。各テーマは、SDGs基本方針の成功の柱をベースにしており、本年度からスタート。第1期では”省エネルギー”をテーマに”マイボトル活用”を推進しました。第2期では”Well-Beingと人権”に関するテーマで取り組みました。第2期について有馬さんは、「定時退社や健康促進、快眠術など身近な話題を中心に、Well-Beingのために何をしたら良いのかをわかりやすく解説し、社員の皆様に人権について考えていただくことを目的に教材を配布するなどしました。そして考えたことを表現していただく機会として、NTT東日本グループで開催している人権標語・ポスターへの積極的な参加の呼びかけを行いました」と説明します。今後、第3期は「地球環境保護」、第4期は「当社事業の理解」を予定しています。

その他にも、NTT東日本グループの環境活動の一環である「福島ひまわり里親プロジェクト」に2017年度から参加。これは、希望者に福島で育てたひまわりの種が配られるもので、それを自宅で育てて種を収穫し、返送します。集まった種からバイオディーゼル燃料が作られ、その収益金が東日本大震災の復興に使われるという活動です。脱炭素・循環型社会の実現の一助となるもので、昨年180名ほどだった同社からの参加者が、今年は320名にまで増えたとのことです。さらに、世界中で一斉に地球をキレイにしようという、WORLD CLEANUP DAYにも参画。9月15日の朝の始業前に、各拠点のビルの前や周辺の清掃活動を行いました。

“働く人々すべて”の一体感が重要

多岐にわたるSDGs関連活動への参加について有馬さんは「自社で行える活動にも力を入れていますが、NTT東日本グループも含めた社外の取り組みで、賛同できるものには積極的に参加していきたいと考えています。とにかく身軽に参加できるイベントを数多く揃えることで、”働く人々すべて”で参加し、意識を高めたいと思います」と説明します。

SDGs活動の中で、”働く人々すべて”という表現にこだわりがあるという有馬さん。「雇用形態も労働時間も違う人たちが、それぞれの持ち場で同じようにみんなで一体となって取り組んでいくことが重要であり、当社が目指す”チームネクシア”にもつながります」と説明します。

一体感はイベント参加だけでなく、理念や情報の共有からも醸成されます。そのためには、地道な情報発信が不可欠と指摘します。全国に拠点を持つコールセンターでは、共通認識の浸透は容易ではありません。そのため、全社員向けに、日頃から手元におくことができるクリアファイルや小冊子にSDGs基本方針を記載し配布することで理解浸透を図っています。加えて、パソコンのポップアップ画面で告知を行う、社内SNSに投稿する、センターのサイネージに掲示するなど、こちらも多岐にわたった情報共有を行っています。なお、配布したクリアファイルや小冊子は環境にやさしい石灰石で作成しています。

今後について、「人と人とのコミュニケーションが重要であり、それが会社としての一体感の醸成になります。全員が共通目標に向かって一丸となって取り組むことで当社の事業が発展して、その結果として社会貢献や社会課題の解決、クライアントの企業価値の向上を実現し、最終的にSDGsの達成にもつながっていくと考えています。それがコールセンター業界全体の発展にもつながっていくと思います」と話す有馬さん。できるだけ多くの人にSDGsへの意識を持って活動に参加していただくために、あらゆるチャンスを逃さずに地道な活動を続けるという姿勢は、サステナブル企業にふさわしいSDGs活動だと言えるのではないでしょうか。

さっぽろふるさとの森作り

同社では、前身のNTT北海道テレマートの創立25周年記念の施策として、2012年から札幌市と連携した「植樹活動」を行ってきました。北海道胆振東部地震や新型コロナの影響で活動を中断していましたが、2023年から2028年まで、新たに札幌市と連携協定を締結して、「育樹活動」をスタートしています。これは、以前に植樹して育った樹木の手入れをすることでさらに大きく育てる活動で、植樹から育樹へというサステナブルな取り組みです。

特集「コールセンターとSDGs」バックナンバー

第1弾「314号」
「コールセンターにおけるSDGsの現在地」
https://ccaj.or.jp/ccajnews/pdf/ccajnews314.pdf

第2弾「315号」
「コールセンター業界が取り組むべきSDGsとは」
https://ccaj.or.jp/ccajnews/pdf/ccajnews315.pdf

出典:CCAJ NEWS 2023年10月号(Vol.319)

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