人材育成のポイント Vol.2 『クレーム対応の基本である “お客様に寄り添う” 姿勢を再認識』
出典:CCAJガイドブック Annual Report Vol.32(2023)
クレーム対応の基本である “お客様に寄り添う” 姿勢を再認識
日本生活協同組合連合会
日本生活協同組合連合会(略称:日本生協連)は、国内各地の生協(生活協同組合)や生協連合会が加入する全国連合会です。通販本部コンタクトセンターは、加入生協を通じて提供している衣類や家具・寝具などの食品以外の宅配サービスにおいて、組合員からの注文やお問い合わせに対応する窓口です。受付時間は、受注が8時30分~ 21時、お問い合わせ対応が9時~ 21時で、いずれも日曜日と年末年始はお休みをいただいています。受付チャネルは電話が99%以上を占めていますが、eメールの対応も行っています。年間応答件数は2021年度実績で、ご注文が30万件弱、お問い合わせが43万件超となっています。
コンタクトセンター全体では180名前後のスタッフが在籍していますが、受注・お問い合わせともに、基本的な受付を行う一次対応、やや高度な受け答えが必要となる二次対応については、信頼できるコールセンター・エージェンシーへのアウトソーシングを行っており、大半のスタッフはアウトソーシング先に所属しています。
正規職員と直雇用のパートタイム職員を含め約20名の日本生協連の職員が担当しているのは三次対応で、一次・二次対応でご満足いただけなかったお客様のクレーム対応が中心です。対応件数は日によって異なりますが、概ね20 ~ 30件前後となっています。
ただし、クレームを言われるお客様も生協の組合員なので、内容的には至らない点の改善のために苦言を呈するといったものが中心となっています。
一次・二次対応を担うスタッフの採用や教育・研修については、生協や日本生協連の成り立ちや考え方、宅配サービスに対する姿勢など、必要な情報をきちんとご提供した上で、基本的に当該スタッフが所属するアウトソーシング先企業にお任せしています。 三次対応を行う日本生協連の職員、特に正規職員については、コンタクトセンター専任者として採用されているわけではなく、日本生協連の他部署での勤務を経て、異動によってコンタクトセンターに配属されるケースがほとんどです。つまり、経験値が少ない職員が、いわば「日本生協連を代表する」ことにもなる責任ある立場で、クレーム対応という非常に難易度の高い業務をこなさなければならないということで、教育・研修は大変重要だと考えています。
従来は組織内部で蓄積された知見やノウハウなどに基づいて、OJTを中心とした教育・研修を行っていましたが、実務を通じて構築されたものであるため体系化されておらず、内容的に十分なものとするために試行錯誤を続けていました。
その中で、10年ほど前にCCAJスクールの「クレーム対応講座(基礎編)」の存在を知り、当時の職員が受講したところ、クレーム対応の必要性や専門部署の存在意義、クレームへの基本的な対処姿勢、方法などを習得するのに大変適した講座であると評価できたので、それ以降、新たに着任した正規職員は当該講座を受講することが多くなっています。 私自身も受講させていただきましたが、クレーム対応のスキルについて学べたのは当然として、お客様に寄り添ってクレームを受け止める“傾聴”に関する内容が非常に印象に残っています。
受講したのは「クレーム対応講座(応用編)」です。私は2年少し前、当部署に異動・着任し、上司・先輩や同僚の対応などから基本的なクレーム対応のあり方を学んで、実際の業務を行っていました。 しかしながら、時に上席対応をする立場として適切な対応ができているか、また、周りの見本となる対応ができているかという点で自信が持てず、スキルを向上する必要性を感じていました。そんな中で、上司から「クレーム対応講座(応用編)」の受講を勧められ、受講経験があった先輩職員などからその内容の有意義さをお伺いできたこともあり、受講することを決めました。
オンラインの1日講座で午前中が座学、午後がロールプレイングという構成です。
座学では、「まずはお客様のお話しをきちんと伺う」など、クレーム対応の基礎について、講師のお話を伺いました。
ロールプレイングは、4名ほどのグループで実施するスタイルで、クレーム発生のシチュエーションを設定して、参加者が立場を変えながらやり取りを繰り返し、講師の方も交えて、それぞれの対応の評価や改善点について話し合うというものでした。
ロールプレイングは、PCのサポート業務に関するトラブルという設定でした。その中で、私がお客様役だったときに「年会費を返してほしい」といったやや意地悪なクレームを言ってみたのですが、センタースタッフ役の他社のご参加者の応対が非常に丁寧で申し訳なさそうな雰囲気でありながら、返金できないことについて納得できる内容であり、しかもご提示された代替案を受け入れようという気持ちにさせていただいたので、非常に感銘を受けました。
私自身、受講以前は、お客様の話を最後まで聞かずに、自分のお伝えしたい内容を話し始めてしまうようなこともあったのですが、受講を通じて、お客様に寄り添ってお話しをきちんと伺うだけでも、ある程度満足されるといったことが理解できたので、今後はそのような応対を実践していきたいと考えています。
髙橋は着任以来、ずっと積極的に業務に取り組んでいましたが、当該講座の受講後はより前向きになったように感じています。クレーム対応について信じるべき根拠のある知見やスキルを習得できたことで、自信を持って冷静に業務を遂行できるようになったと評価しており、さらに上のステップに進めるものと期待しています。
出典:CCAJガイドブック Annual Report Vol.32(2023)

