生活者アンケート 2024『生活者のコンタクトセンター利用意識と実態』

業界動向/レポート

出典:CCAJガイドブック Annual Report Vol.34

生活者のコンタクトセンター利用意識と実態

生活者アンケート 2024

生活者は、コンタクトセンターをどのような場面において、どのような理由・目的で利用しているのか。
また、コンタクトセンター業務が在宅で行われることやカスタマーハラスメントへの対応について、どのように評価しているのか。生活者のコンタクトセンター利用意識・実態を明らかにすることで、
より生活者のニーズに寄り添ったコンタクトセンターの実現に資することを目的に生活者アンケート調査を実施した。
「希望する生活者がいつでも気軽に利用できる状況」の実現を目指す姿勢が求められる

今回調査結果によると、過去1年において、購入・利用した製品・サービスの内容や使い方に関する疑問、不明点、不満などの解決方法として、一般的にコンタクトセンターの業務範囲に入ることが多いと考えられる「電話による問い合わせ」「メール・SMSによる問い合わせ」を利用した人はともに1割前半にとどまっており、主要な解決手段とはなっていない。
しかし、同様のケースで今後の意向を尋ねた設問では、「電話による問い合わせ」「メールによる問い合わせ」がともに3割以上で上位を占めており、過去1年の実績と相当のギャップがある。
このことから、本来はコンタクトセンターを利用したいと考えた生活者のうち一定数が、何らかの理由で利用をあきらめたとも考えられるので、コンタクトセンターとしては、希望する生活者がいつでも気軽に利用できる状況の実現を追求し続けることが求められていると言えよう。

生活者がコンタクトセンターに求めているのは現状の延長線上にある“質の向上”

過去1年間のコンタクトセンター利用経験者に、利用チャネル別の満足度を尋ねた設問では、電話、メール・SMS、チャット、LINEといった4つのチャネル全てにおいて、利用者の満足度が前回(2023年)調査より上昇しており、多くのセンターで行われている応対品質向上のための取り組みが功を奏していることがうかがわれる。
しかし、不満内容をみると、相変わらず回答を得るまでの総合的な時間の長さを指摘する声が多いことから、さらなる満足度向上を目指して、改善すべき余地はまだまだ存在していると考えられよう。
今後のコンタクトセンター利用意向を尋ねた設問では、利用意向層が約3分の2を占めた。今回新設した未来のコンタクトセンター像に関する設問でも「つながりやすさの徹底」「人による有人対応」など、現時点のコンタクトセンターが提供しているサービスの拡充を求める内容が中心となっており、多くの生活者はコンタクトセンターに対して“ドラスティックな変革”は求めておらず、現状の延長線上にある“質の向上”を求めていると考えられよう。

カスハラ対応については、納得性の高い対応方針の事前整備が肝要

企業のコンタクトセンターがテレワーク(在宅勤務)で行われることについては、「電話が繋がりやすくなるのなら、行った方がよい」など、肯定的な評価が中心である。
ただし、時系列でみると、「個人情報等が流出しないか不安がある」「意見や要望、問い合わせ内容などが企業にきちんと伝わるか不安がある」など生活者の不安・心配を示す内容が、前回調査からいずれも上昇しており、テレワークを行うセンターでは、これらの不安・心配を払拭するための体制整備や情報発信を継続していくことが求められる。
今回新設したコンタクトセンターにおけるカスタマーハラスメント対応への考え方に関する設問では、「複数の担当者により許容限度を超えていると判断すれば、対応を中止するのはやむを得ない」など、センターが一定条件の下で、毅然とした対応を行うことを受容する意見が約4分の3を占め、センター側に負担を求める意見は少なかった。カスタマーハラスメントが社会問題化する中で、社会通念として、企業・団体が必要な対処を行うことが普遍化しつつあることを表していると考えられるが、その中でもトラブルを避けるためには、多くの生活者が納得できる対応方針を事前に整備しておくことが肝要と言えるだろう。

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