生活者アンケート 2023『生活者のコールセンター利用意識と実態』

業界動向/レポート

生活者のコールセンター利用意識と実態

生活者アンケート 2023

生活者は、コールセンターをどのような場面において、どのような理由・目的で利用しているのか。
また、コールセンター業務が在宅で行われることについて、どのように評価しているのか。
生活者のコールセンター利用意識・実態を明らかにすることで、より生活者のニーズに寄り添ったコールセンターの実現に資することを目的に生活者アンケート調査を実施した。
「必要なとき、気軽に利用してもらえるコールセンター」を目指す姿勢が求められる

今回調査結果によると、過去1年において、購入・利用した製品・サービスの内容や使い方に関する疑問、不明点、不満などの解決方法として、一般的にコールセンターの業務範囲に入ることが多いと考えられる「電話による問い合わせ」「メール・SMSによる問い合わせ」を利用した人はともに1割前半にとどまっており、主要な解決手段とはなっていない。
しかし、同様のケースで今後の意向を尋ねた設問では、「電話による問い合わせ」「メールによる問い合わせ」がともに3割以上で上位を占めており、過去1年の実績と相当のギャップがある。
このギャップの要因は定かではないが、本来はコールセンターを利用したいと考えた生活者のうち一定数が、何らかの理由で利用をあきらめたとも考えられるので、認知度向上や受付体制強化などにより、「必要なとき、気軽に利用してもらえるコールセンター」を目指していく必要があると言えるだろう。

複数チャネルにまたがるコミュニケーションを見据えた連携体制の確立が求められる

過去1年間のコールセンター利用経験者に、利用チャネル別の満足度を尋ねた設問で最も評価が高かったのはLINEで、利用者の絶対数は限られるものの6割が満足を示した。
一方、メール・SMSに満足を示した人は4割半ばにとどまっており、同じテキストベースのチャネルの中でも満足度に違いが生じている。メール・SMSについては時系列的にも満足度低下傾向が継続しており、前々回(2021年)調査との比較では、満足の割合が2割以上減少しているので、その要因を見極めた上で、返信タイミングの迅速化や担当コミュニケーターの文章表現力向上など、必要な対策を講じていくことが求められよう。さらにお問い合わせ内容が複雑なケースなどでは、複数のチャネルにまたがって、数往復のコミュニケーションが行われるケースも想定される。このようなケースでチャネル間の連携が取れていないと、お客さまにとって“二度手間”と感じられ、不満につながることも考えられるので、スムーズな連携によってお客さまの負担を極小化していくことも肝要であろう。
今後のコールセンター利用意向を尋ねた設問では、利用意向層が6割近くを占めたが、非利用意向層も1割以上存在する。非利用意向者の理由では、「なかなかつながらないから」が5割超で最も高いので、今後、コールセンターの利用意向をさらに高めていくためには、受付体制を強化する必要があるが、人的リソースやコスト面から一定の制約はあるので、同時にチャットボットの活用やWebサイトのFAQ充実化などによる、お客さまの自己解決率の向上も図っていく必要があるだろう。

利用者に在宅ならではの不便・不安を感じさせない“在宅コールセンター”の実現が求められる

企業のコールセンターがテレワーク(在宅勤務)で行われることについては、「電話が繋がりやすくなるのなら、行った方がよい」「新しい働き方、働き方改革の一環として、積極的に行うべきだ」「サービス(受付)時間帯が維持できるなら、行った方がよい」といった肯定的な評価が中心であり、否定的な評価は限定的である。
時系列でみても、利用者としてのメリットを重視する傾向が高まっており、“ 在宅コールセンター”を容認する傾向は強まっていると考えられるが、この傾向を継続するためには、利用者に在宅ならではの不便・不安を感じさせない体制を確立することが求められるだろう。

関連記事一覧