人材育成のポイント Vol.6 『CCAJ スクール受講を契機に、中堅オペレーターを対象とする新たな社内研修をスタート』
出典:CCAJガイドブック Annual Report Vol.34
CCAJ スクール受講を契機に、中堅オペレーターを対象とする新たな社内研修をスタート
日本生命保険相互会社
「ニッセイコールセンター」は、日本生命の生命保険にご加入いただいているお客さまからの各種お手続きやお問い合せに対応しています。BCPの観点から東京・大阪・福岡の3拠点体制で運営しており、年間の受付件数は電話とホームページの専用フォームから寄せられるテキストベースでのお問い合わせを合計して約82万件に及んでいます。
受付時間は年末年始を除き、平日9時~ 18時、土曜日9時~ 17時で、受付内容は、入院給付金、住所・電話番号などの変更、契約内容照会などです。私が所属している大阪は総人員数約250名で、「電話対応」「書類発送受付」「ホームページ対応」など、業務内容別に構成した5チーム体制で運営しています。
雇用形態は、全てのオペレーターが職員です。過年度は派遣社員も在籍しておりましたが、10年ほど前に直接採用に切り替え、現在に至ります。
「ニッセイコールセンター」のオペレーターの配属経路は、他部署からの異動、新卒入社、中途入社がありますが、配属後は経路にかかわらず所定の初期研修を受けます。
最初の1年間は、まず3 ヶ月間の座学研修で、生命保険に関する基礎知識や当センターにおけるお客さま応対の基本を学習します。この期間の後半から電話応対を実践し、4 ヶ月目からは新人オペレーターとして本格的なOJTに移行します。
このOJT期間は、スーパーバイザー(SV)の補佐的な役割を担っているアシスタントスーパーバイザー(Asv)が新人オペレーターをほぼマンツーマン体制で担当し、きめ細かい指導を行っています。基本的な応対は入社後1年ほどで身に付くようにしています。
さらに2 ~ 3年目は、「各保険商品の内容・ 特徴」「お客さまに寄り添うホスピタリティ」「ご高齢の方など配慮が必要なお客さまへの応対のあり方」など、さまざまなテーマのフォロー研修を実施しています。これらの研修を受講することで、いわゆる“独り立ち”という段階となります。
新卒・中途入社の方はもちろん、他部署からの異動で着任した職員も、コールセンター業務の知識がほとんどない状態です。このため、他業種のコールセンターがどのような取組をしているのか、コールセンター業界で一般的とされているスキルはどのようなものなのかを理解するために必要なものだと考えています。
とりわけ応対品質の向上については、客観的な視点も獲得してほしいという意図から、CCAJスクールを以前から活用させていただいています。音声表現の大切さを学び、コールセンター内へ伝播しています。
2023年11月に「お客さま満足度が上がる電話応対」という講座を受講させていただきました。上司からの勧めで受講したのですが、常日頃から「お客さま満足度をいかに向上していくか」について具体的な方法を模索していたので、大きな期待を持って研修に臨みました。
研修の内容は、講義を聞いた後、3 ~ 4人ずつのグループに分かれてロールプレイングを行い、その内容を振り返って、話し合うといったものでした。インターネットを通じてさまざまな情報が取得できる時代の中で、わざわざコールセンターにお電話をいただけるお客さまには、表層的な用件だけではなく、その奥に真のニーズがあり、それを引き出す会話のキャッチボールがとても大切だということを学びました。そして、有意義なキャッチボールを成立させるためには、お客さまにこちらが共感していることを感じていただける声のトーンや言い回しなど音声表現が非常に重要であるということを再認識しました。まず、オペレーター全員に研修を行いました。「お客さまから選ばれるオペレーターを目指す」ことを目的として、ワークを交えながら、①音声表現(発声・発音・大きさ・速さ・高低・抑揚・間)、②アクティブリスニング、③お客さまに寄り添った応対の3点を意識する内容としました。受講者からは、音声表現の大切さを改めて感じ、「自分の応対に活かしたい」「実践したい」という声が多くあり、日ごろ意識して応対しているつもりでも、できていなかったことを実感できる貴重な機会になったとのことです。
また、日常業務においても、オペレーターが音声表現の大切さを忘れないために、個々フィードバックを行う際には、音声表現を意識したアドバイスを行っています。
今回この講座を受講したことで、「ここは良かった」「この点はもう少し言い方を変えた方がいい」などと、私自身が以前より自信と根拠を持ってオペレーターにアドバイスができるようになったと実感しております。
加えて若手層を対象とするOJT研修を実施しております。内容は「お客さまに寄り添う姿勢を声だけで表現するにはどうしたらいいか」を、実際に応対した音源を確認しながらオペレーターと一緒に考えるものですが、とりわけ音声に感情を乗せて共感を示すことを徹底して訓練しています。研修実施後の応対を聞いてみると、徐々に成果が表れているように感じられ、因果関係は明らかではありませんが、お客さまアンケートの評価なども上昇傾向にあるようです。コールセンターの応対には基本的なスクリプトがあり、それを読むことに必死になるあまり棒読みになってしまい、感情をのせられないことも多いのですが、最近は感謝の気持ちを声で表現できている応対が全体的に増えてきたように感じています。そして、SVが企画して実施した研修を通じて、一定の成果が見えたことがSV・オペレーターのモチベーション向上につながったと思います。研修受講を通じてさまざまな知見やノウハウを獲得するだけではなく、センター全体の応対品質向上を図ろうという意欲も喚起されたのではないかと思い、その点についても満足しています。
出典:CCAJガイドブック Annual Report Vol.34

