コールセンターとSDGs Vol.5「コールセンター業界が取り組むSDGs」

社会貢献

出典:CCAJ NEWS 2024年6月号(Vol.327)

コールセンター業界が取り組むSDGs

~働きやすさと働きがいの追求で多様な人材が活躍~

『CCAJ News』では、コールセンター業界のSDGs(持続可能な開発目標)への取り組みを紹介する特集「コールセンターとSDGs」を連載しています。
連載開始の314号で、会員企業に実施したアンケート※の概要をお届けし、315号では、コールセンター業界が取り組むべきSDGsについて国連グローバル・コンパクト・ネットワーク・ジャパンにお話を伺いました。319号では、会員企業2社の具体的な施策、323号と325号では、次世代を担う若手社員による座談会を掲載しました。
第5弾となる今号では、ウィズ・プランナーズ株式会社と株式会社アイティ・コミュニケーションズの取り組みをご紹介します。両社の取り組みをヒントに、さらなるSDGs推進に取り組んでいただければ幸いです。
※ SDGsに関するアンケートの全集計結果は、https://ccaj.or.jp/ccajnews/314_sepvol.html でご覧いただけます。
ウィズ・プランナーズ株式会社

普段からの取り組みがSDGsに合致

東京・五反田にある2カ所のセンターと、在宅オペレーションで、マルチチャネルのコンタクトセンター、BPO、バックオフィス業務を提供するウィズ・プランナーズ株式会社。SDGsに関しては、環境・社会・ガバナンスという3つの重要課題を設定して、独自の施策を推進しています。

取り組みのスタートについて、同社運営管理部課長の左右田都さんに伺いました。「SDGsの17項目の中から、自分たちができるものをまずピックアップしてみることになりました。現状を精査してみると、ジェンダー平等や働きがいにつながる女性活躍に関して、いろいろな認定制度のレベルに達していたことがわかりました。認定を受けることが社内へのアピールにもつながると考えて、まず”えるぼし”認定を取得しました」と説明します。えるぼしは、厚生労働省が認定する制度で、採用・継続就業・労働時間等の働き方・管理職比率・多様なキャリアコースの5項目に応じて評価されるものです。同社は、5つの基準のすべて満たしているえるぼし3段階目に認定されています。また、子育てサポート企業を認定する”くるみんマーク”の取得も視野に入れているとのことですが、「パパ育休の実績が必要ですが、これまで対象となる方がいなかったので、タイミングが来たら再度検討しようと考えています」とのことです。自分たちが実践してきたことは、女性活躍推進だったのだという気づきにつながったと話す左右田さん。SDGsの理解や推進へと結びついていきます。

女性だけでなく従業員一人ひとりが働きやすい職場の環境づくりにも取り組みを続けています。2024年3月には、『結婚後の手続きガイドブック』『産休育休ガイドブック』をリリース。結婚や出産時にどのように対応すれば良いのか、どのような制度を利用できるのかを社内でまとめたものです。ご本人だけでなく、報告を受ける側や周囲の人々のスタンスなどについても解説しています。「ライフステージに合わせた資料を提供することで、変化があっても働けるんだということを知ってもらいたいという意図で作りました」(左右田さん)。ガイドブック作成で得られたノウハウをもとに、次のステップとしてLGBTQ+に関する資料作成も考えているとのことです。


在宅オペレーションでの障がい者雇用

SDGsへの取り組みには、新型コロナウイルス感染症も大きな影響があったといいます。

新型コロナが猛威を振るっていた2020年4月から、”人と人との空間確保”と”BCP対策を重視した安定サービスの提供”を目的に、在宅オペレーションセンターを稼働しています。現在、北海道の函館から関西の滋賀まで、約20名のオペレーターが在宅でオペレーションを行っていますが、その中にお二人の障がい者も勤務しています。左右田さんによると「電車に乗ったり、人混みに行くと動悸の症状が出てしまうと事前に相談をいただきました。自宅での電話応対は落ち着いてできるということで、ご自身のペースで働いていただいています」とのこと。採用や研修もすべてオンラインで行うことで、負担も軽減しました。お互いのニーズにマッチした雇用形態と言えるでしょう。

同社では、障がい者雇用について、”働いてくださる方に働ける環境を用意して活躍してもらう”というスタンスを守っているといいます。「他の従業員と、仕事内容も研修内容もまったく一緒に働いていただいています。今後も、ご縁があれば採用を増やしていきたいと思います」(左右田さん)。SDGs対応に加えて、近年求められている個々の障害に合った合理的配慮を実現している取り組みではないでしょうか。

地域連携とパートナーシップを推進

社員の皆さんを中心とする積極的な取り組みに、ゴミ拾いでの環境保持や改善を通じた地域貢献があります。左右田さんの知り合いの紹介で、五反田商店街振興組合による清掃活動である「クリーン五反田」に、半年に1回、有志の社員の方が参加しています。参加者からは「楽しかった」との声が多く、SDGsへのポジティブな参画になっているようです。

また、B.LEAGUE所属で、東京城南エリア(大田区・世田谷区・品川区・目黒区等)をホームタウンとするプロバスケットボールチーム、「アースフレンズ東京Z」とスポンサー契約を結んでいるとのこと。ホームアリーナの大田区総合体育館に、有志で応援に行くなど、地域との連携だけでなく、福利厚生の面もある取り組みになっています。

最後に、今後の取り組みについて伺いました。「企業理念である”喜びの想像と実現のために”という原点に戻って、当社のファンを増やしていきたいと考えています。そういうパートナーシップ作りもSDGsにつながると思います」と左右田さんは話します。

最近の取り組みとしては、カスタマーサポートから物流代行までのフルフィルメント領域での角川流通倉庫株式会社との業務提携や、同社のスタッフがアシスタントとしてリモートで仕事をサポートするバックオフィス業務の新サービス”ASSISTANT DESK”のスタートなどがあります。「これまでもそうですが、幅広さをどんどん広げていくことで、いろいろな方々に喜んでもらえるサービスを提供していきたいと思います。また、ASSISTANT DESKなどでは、電話などで声を出すのが苦手といった障がいを持つ方の雇用にもつなげられるのではないかと考えています」(左右田さん)

地域に根差した取り組みの根幹には、五反田の地の利の良さも影響していると話す左右田さん。ご自身も大田区在住で、学生時代から親しんできた街の一つでもあります。そういった地域とそこの人々を大切にする気持ちは、SDGsの根幹と同じなのではないでしょうか。

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