コールセンターとSDGs Vol.1「コールセンターにおけるSDGsの現在地」
SDGs(類する活動を含む)に貢献する具体的な取り組みを伺ったところ、その数は100を優に超え、次のA~Iまでの9つに分類することができました。本誌ではその一部をご紹介します。
A.基本方針の策定・公開・浸透
・サステナビリティ方針・マネジメント・課題・目標、ESGデータの策定・公開
・マテリアリティ(事業活動における重要課題)の解決への対応を公表
・サプライヤー行動基準を定め、サプライヤーに対し理解と賛同を求める
B.ダイバーシティ&インクルージョン
・女性の活躍を推奨する為、積極的に女性役職者を登用
・『仕事と子育て 両立支援ハンドブック』制作
・65歳以上の社員限定の「グラン事業部」を発足し、後進の育成やサポートを担う
C.従業員の健康促進
・社員、家族が安価に栄養の良い食事を取れるように社員向けのカフェテリアを運用
・ポスターを掲示し、運動不足解消のための運動促進
・受動喫煙防止や喫煙者の健康維持のための卒煙を推進
D.働きがいのある&働きやすい職場づくり
・リモートワーク勤務や働き易い職種選択制度(短時間労働正社員制度など)を導入
・マインドサポーター制度:直属上司ではない第三者的立場の支援者がスタッフの話を聴き寄り添いながら仕事の悩みや本音を受け止め、問題解決をサポートする取り組み
・専門学校と連携し、レッスンと自社の就業が両立できる支援を行う(ダブルワーク者)
E.人材育成
・与えられる教育から自ら学ぶを基本とした教育体系(自己啓発費用を一部援助)
・社員へのSDGs教育プログラムの導入や、社内に対する啓蒙活動を6ヵ月に1回以上実施
・5%ルール:月の稼働時間の5%は対話(コーチング)or教育(トレーニング)に当てる
F.地域貢献活動
・地域クリーンキャンペーンへの参加
・北海道マラソン給水ボランティアへの参加
・各地の大学をはじめとする教育機関での講義や中学生の職業体験の受け入れ
G.環境保護
・来客や社員カフェテリアでのストローを廃止しマイクロプラスチックを削減
・フードロスへの取り組みとして社員食堂で廃棄食品を再利用した料理教室を開催
・マイボトルの無料配布とウォーターサーバーの設置
H.寄付活動
・災害備蓄品のフードバンクへの寄贈
・ブックバトン・プロジェクト(自宅にある本等を寄付)
・開発途上国支援のために社内休憩室に募金箱を設置
I.テクノロジーの効果的活用
・日経スマートワーク経営調査 三ツ星獲得
・ペーパーレスソリューションを提供
・「デジタルラボ」開設に伴い、自治体や大学、地域のIT企業と連携し、「デジタルコンソーシアム」を主催(地域課題をデジタルで解決)
期待する効果として、「企業イメージの向上/ブランディング」が88%でトップ、「従業員のモチベーションアップ」が76%、「採用活動におけるプラス効果・認知度の向上」が71%と続きました。一方で、「収益の増加」や「資金調達」は下位と留まり、財務面での効果については現時点では未知数または模索している様子が伺えました。

課題として、「マンパワーが不足している」が43%で最も多く、続いて「社内での理解度が低い」と「定量的な指標など評価方法が分からない」が34%で並びました。上位3つをはじめ挙げられた課題に関しては、現在の事業活動や日常業務とSDGsを関連付けたり、一体化させたりすることの難しさを表していると感じました。

最後にコールセンター事業/コールセンター業界が貢献できると思われるSDGs17のゴールについてお尋ねしました。
「主体的に貢献(行動)できる」と回答した企業が最も多かったのが「⑤ジェンダー平等を実現しよう」で、「⑧働きがいも経済成長も」「⑨産業と技術革新の基盤をつくろう」と続き、当協会の2023年度事業活動方針とも一致しています。
一方で、“ものづくり”ではない事業・業務の特性上、「⑥安全な水とトイレを世界中に」「⑭海の豊かさを守ろう」「⑮陸の豊かさも守ろう」といった資源や自然環境との結びつきをイメージするのは難しい傾向が伺えました。

今回のアンケートにより、SDGsの達成に向けた会員各社の多種多様な取り組みを伝えることで、行動するきっかけや活動の幅を拡げる機会になれば幸いです。
企業を超えて取り組みを共有することは、SDGs「⑰パートナーシップで目標を達成しよう」に通ずるものと考えております。アンケートにご協力いただいた会員の皆さま、ありがとうございました。
出典:CCAJ NEWS 2022年10月号(Vol.307)

